例えば売上には、金額とともに件数や個数、客数という要素があります。
SUM関数で金額の合計を出したら、その売上が何件の取引から成り立っているのかを出す必要もあるのです。
ある日の売上金額合計が100万円だった場合、それは何件の取引から成り立っているのか、
あるいは何人のお客様のお買い上げによって成り立っているのか。
「販売金額」と「販売件数」の二つの軸で実績の数字をとらえる必要があるのです。
SUM関数が「合計」を出す関数なら、COUNTA関数は「件数」を出す関数と言えます。
具体的には、指定した範囲において、何かしらのデータが入力されているセルの「個数」をカウントする関数です。
言いかえると、指定した範囲において「空白以外のセル」の個数を数える関数ということになります。
図A
例えば図Aのデータから件数を出す式は、以下のようになります。
=COUNTA(B:B)-1
このように列全体参照にすることで、データ数の変動に対応できる式になっているのが、
ここでの大切なポイントです。
上記の式でなぜ1を引いているか?
それは「金額」と入力されているB1セルを除外するためです。
このように、「状況に合わせて、関数から数字を足し引きして調整する」
というテクニック・発想がExcelの実務では必須です。
図Aの表からSUM関数で合計、COUNTA関数で件数が求められたら、
この合計を件数で割れば「平均値」を求めることができます。
平均を出すにはAVERAGE関数やAVERAGEIF関数があり、
それも是非覚えて使いこなせるに越したことはないのですが、
ここで申し上げたいのは全体の「合計」と「件数」を出して、それを割り算して平均を出す…
という思考のプロセスが大事だということです。
また、既に知っているものだけでやりたいことを実現する創意工夫にもそうした知恵や発想が役に立っていきます。
機能や関数に関する「知識」と、自分の頭で考える「アイデア」や「発想」。
どちらも大事なのです。
【書式】
=COUNTA(範囲)
〇 COUNT関数との違い
COUNTA関数とよく似た関数に、COUNT関数があります。
違いは以下の通りです。
・COUNTA関数
引数に指定した範囲において、空白以外のセルの数を数える。
つまり何かしら入力されているセルの数を数える。
・COUNT関数
引数に指定した範囲において、数値が入力されているセルの数を数える。
つまり、COUNT関数は数値が入ったセルの数しか数えてくれないので、文字列が入ったセルは無視されます。
そのため、実務ではCOUNTA関数だけ覚えておけば事足りますが、数値の入ったセルだけを数える必要が出てきた場合には、COUNT関数を使うということになります。
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