・2014年に起きた、福島県医科大学で起きた小児甲状腺ガンの結果誤通知問題をご存じでしょうか。
186人のうち173人に、まったく別の他人の検査結果が送られた問題で、甲状腺の大きさや判定結果がバラバラになっていたとのことです。
この問題の原因は、Excelで管理していた検査結果データで「並べ替え」という超基本操作を行った際に、この「並べ替え」機能が正しく動作する基本を知らなかったためにデータが滅茶苦茶になってしまったことでした。
他にも
・一秒で終わる作業に3日かけていた事例
・自動計算の仕組みにすることでそもそも要らなくなる作業に毎日2時間かけていた事例
・千円単位の表だからと実際の金額の1000分の1の数字を入力していた経理データをそのまま会計システムに入れてしまって過小申告となった事例
など、知らなかったでは済まされない問題って結構起きています。
起きてもなんとかなるのが人間の世の中ですが、人間が一度犯した過ちはもう繰り返さないように広め伝えていくことで社会は進歩します。
しかし、Excelのこうした基本を理解するだけでは問題は解決しません。
次は、誰も見ない、何の役にも立っていない膨大な資料作成に社員たちの膨大な時間が割かれている現状です。
もちろん、最終的に経営への貢献につながる有意義な資料作成もたくさん行われいます。
では、その違いはどこから来るのか。
ここで、「Excelの勉強は会社のキャッシュフロー会計と両輪で回さなければ意味がない」という弊社の持論が登場します。
Excelで、どんな表(資料)を作ればいいのかという着眼点をまず理解する。そこで簡単な会計の知識をまず得る。
その上で、ではその表をいかに短時間で正確に作るか。そのために必要なExcelの関数や機能とは何かを知る。
これが正しい社会人のExcelの勉強法です。
このことは経営者も管理職も一般社員の方も、上司も部下も、求職者も採用ご担当者様にもしっかりと認識しておいて頂きたいことです。
Excelより先に知るべきは数字です。会社の経営数字。
ユニクロの店長クラスでも「粗利」という概念を理解できていないという現状が先日のテレビで映されていました。
しかしその後、店長さんは勉強してビジネスの数字を理解した途端、俄然やる気を出して仕事を楽しみ始めたのです。
数字が理解できると、こうも人は変わるものかという事例は弊社クライアントでも枚挙に暇がありません。
何も弊社はExcelが好きでExcelのセミナーをやっているわけではありません。
むしろこんな傲慢なソフト(というかマイクロソフトという会社)はないと思っています。日本語版の誤訳も多いし…。
しかし残念ながら現状ではこのExcelと向き合わずに仕事をすることは難しく、デスクワークの生産性を大幅に下げる要因になっています。
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